おひとり様の入院手続きの実際

元ケアマネが語る、おひとり様の入院手続き

入院手続きと一言で申しましても
予定された入院 急な入院 では、入院手続きの大変さも全然違います。

予定された入院の場合

まず、予定された入院手続きについてです。何かの手術をすることが決まったようなパターンです。
ご自身でどんな内容の薬を飲んでいるか把握しているし、普段は〇病院の△医師のところでこの病気を治療しているという事も(入院先の主治医に)つたえられて、この手術に、どのようなリスクがあるのか、ある程度の説明は患者さん本人が受けて、医療をすすめてゆけます。
予定された入院の場合のおひとり様入院の難しさと言えば、24時間連絡のつく連絡先の確保や、連帯保証人をつけてくださいと言われる点でしょうか?
高齢者に関しましては、術前の薬や食事の管理があります。そういった管理が難しかったり、理解力の低下で入退院にまつわる説明が聞き取りきれない。
文字を書く事が困難になっており、また体力的な問題で手続きをするのが大変であるといった事もあります。

急変して救急搬送から、入院に至る場合

本当に大変なのは、急な体調不良による入院です。救急搬送されるようなパターンです。
普段はそれなりに元気なのに、突然に意識不明になることもあります。
聞かれたことに自分で答えられるのであればよいのですが、具合が悪くてキチンと答えられないような事は誰にでもあり得ます。
状況を知っている家族がいるならば、家族が救急車に同乗して、必要な情報を救急隊に返答することが多いです。

家族がいない人の問題は 医療について お金の支払いについて があげられます。
医療についてです。まず受け入れ病院側は、治療をするにあたり、自分の病院での受け入れが対応可能かどうかを見極めます。
病気の専門性が高く、自分のところでは受け入れられないという判断があれば、救急隊は次の病院を打診します。その為に、救急隊はその方の情報をできる限り求めます。
いつから調子が悪く、ここ最近の体調はどんな経過だったのか。体調不良の治療に対応できるか?持病についてや、どんな薬を普段のんでいるのか?終末期医療についての考え方は?もし、その人が延命治療を望んでいない、自宅で死を迎えたいと希望していたのであれば、救急搬送されても病院でできる治療はない、という事もあり得ます。受け入れ先の病院はそのあたりをクリアにしてからでないと決まりづらいのです。
ケアマネージャーがついていたら、そういった情報提供を教えて欲しいと、求められます。ケアマネージャーがついている患者さんは、ついていない人よりも少しその情報提供のが受けられる点は有利です。
しかし、本来これはケアマネージャーの仕事ではありません。本来は家族の対応することですが、救急搬送のような切迫した状況であれば、仕事が休みの日でも情報を早急に知りたいとケアマネージャーに電話がかかってくる事があり得ます。
それどころか、救急車に同乗して欲しいと言われることもあります。私がケアマネとして勤務していた時は、基本的には「救急車には乗れない」と断るように会社からは指示されていました。一応、それで救急隊は搬送先を探してくれるのですが、搬送先が確定するまでは何度も電話連絡がかかってきました。夜中でもです。(検査だけA病院、結果によりまた違う病院に搬送、また夜中に自宅に戻る事すらあります)
わたしがケアマネージャーをしていた時は、「業務時間外です」と、電話を断る事は当然できないので、対応していました。一人暮らしの家族がいない方の担当をしてくれないかの打診があった時には、負担が他の方より重い事の覚悟も決めて、担当引き受けていました。
話がそれましたが、そういった医療情報は、入院先の振り分けに必要なので、不確定要素が大きいと、そもそもの搬送先病院が決まりづらいのです。

次は搬送される病院が、決まった後です。家族のいない人は、着替え等の備品はレンタルして、病院で購入できるものは購入していただく事になります。眼鏡や入れ歯など買う事も借りる事も出来ないものは少し困ります。
家族のいる場合はたいてい家族が手続きをしますが、体調がよく、できるようであればご自身で入院の同意書、申込書を書いていただくかもしれません。(病院により対応は違う)病院によっては保証金を預け入れるところもあります。
入院手続きの書類には、緊急連絡先を書く欄があります。病院側からは遠縁でもいいからとにかく誰か書いてと言われるかと思います。ちなみに、先日の私がご支援しているご利用者様の入院手続きでは、24時間つながる連絡先を3つ書いてと言われました。
第一連絡先には私がなり、第二連絡先には担当ケアマネさんを書かせていただきました。その時は連絡先2つ書けば、3つ目は大丈夫との事でした。また連帯保証人を書いて欲しいと言われる事もあります。私は委任を受けて手続きをしているけれど、自分の立場は保証人ではないと告げましたところ保証人については、誰の名前も書かずに入院手続きを済ませる事ができたこともありました。

一番難しいのは、医療同意の問題です。本人の意識がないのに、緊急で手術をしなくてはならないような事が時々あります。説明を受けて、手術の同意をしてくれる人が必要ですが、実務上、家族の代表者がこれを行う事が多いです。説明責任があるので、医師も説明や同意を得た事を残す書面が必要です。だから、何としても家族を探してきてくれないと手術ができないと、そんな事例も過去にはありました。また、延命治療への考え方も聞かれます。心臓が止まったら、心臓マッサージをしたいか、枯れ木が枯れるように穏やかに死を迎えたいのか。一刻を争う延命治療についてはどう対応して欲しいのかの聞き取りも入院時にする事が多いです。本人が答えられない場合は誰かしらに同意を必要としますが、それについては、私は業務としてかかわったお客さんの「医療同意」はできません。「医療同意」は本来本人にのみ許される事なのです。

しかし、医療連係情報シートの作成をしておけば、本人が元気な時に、このような意思表示をしていたと医師に告げる事ができます。この医療連係情報シートがあると、2つの点で、良いのです。
①先生としても、本人の意思が聞き取れたと、治療や処置の方針を決める根拠になるし、②本人の希望を考慮した治療が提供されるからです。

病院側がもう一つ、気にしているのはお金の支払いについてです。料金の滞納を恐れています。入院時に預ける前金は0円から数万円程度が多く、退院の時には人によって違いますが、数十万円の支払いも珍しくはありません。入院の時から、病院関係者は支払えるのか気にしておりますし、急だったので手持ちの現金がなく、入院中なのでおろすことも難しかったりします。クレジットカード対応や、タイミングの相談を病院側としてゆくことになります。

入院中で身動きがとれないなか、どのようにお金を支払うつもりでいるのか等、当事務所でもご相談にのらせていただきます。

その後、本当に大変なのは・・・続きます

委任契約と身元保証の違いってなに?

私の行っている「委任を受けて入院手続きを行う」事は、身元保証というサービスと似ています。
ケアマネージャーは本来、相談員であり、介護保険内外でサービス提供してくれる事業者をつなげて、要介護高齢者の生活が立ち行くように調整するような仕事です。入院手続きの為の一連の支援は本来の業務でもないし、ケアマネージャーにとってはお金も入って来ません。
実は私もケアマネージャーをしていた時に家族がいれば、または身元保証を受けてくれていれば、ケアマネージャーは本来業務に徹する事ができるのにな、と思った事があります。そこでお客様に身元保証サービスを勧めようと思い、調べてみるとかなり高額である事がわかりました。契約だけで、80万位から、100万を超える金額も珍しくはありません。さらに利用には、毎月かかるお金もあります。そして、確実に運営してくれていれば良いのですが、途中で倒産してしまったらどうしよう、またお客様との相性が合わなくても引くに引けない。わたしが紹介した会社で、こんなことが起きてしまったら高額なので取り返しがつかない。ご自身で決めてくれないかな、と内心思っていましたが、強く勧める事ができませんでした。
その時のケアマネージャーとしての経験から、欲しいときだけ、高額ではなく、必要な事のみの支援してくれるサービスがあればいいのになぁと感じました。

ひとつの病院で、入院手続きにかかる事務の平均的な時間は 1時間半程度です
病棟での生活歴、病歴等の聞き取り、緊急連絡先の登録、治療についての説明を受ける

退院手続きにかかる事務の平均的な時間は 30分程度のところが多いです
残金の清算や、荷物の準備 退院後の生活の注意事項の聞き取り等

ただし、医師も看護師も病院の相談員も、とても忙しくされている事が多く、予想外に待機の時間が長引くことは想定しております

料金について

委任契約書作成 5.5万円~
(この中に、医療連係シートの作成が含まれております)
行う事務 1時間につき1.1万円 もしくは 5500円 (内容により)
医療連係情報シートの作成 2.2万円
鍵の預かり(預かり時に管理代金3.3万円/1回のみ 再度の封印は5500円/都度)

入院するかもしれない方必見の医療連係情報シートの作成方法について (happyhappy.pro)

委任の内容の一例

主治医や通院、病歴等、お身体の状況の把握
特に終末期医療に対する聞き取りを、文章にする
病院に眼鏡や入れ歯、現金をもっていく
遠方に住む娘の代わりに、また体の悪くて病院に来られない妻の代わりに、入院手続きの代行
緊急連絡先として記入した場合で、病院から対応を求められた事務
入退院支援(院内の書類関係事務や、病院ご自宅間の移動の補助)

鍵の預かり(預かり時に管理代金3.3万円/1回のみ 再度の封印は5500円/都度)
封筒に入れて、封をして、その上にサインや押印で封印対応をします。
依頼がないのに勝手に鍵を開けるようなことはいたしません。
預かった鍵は当事務所の金庫に保管して、お客様と約束した状況でのみ使います。
(例:電話してもつながらずに契約書で約束した〇時間を経過した場合、お隣の○○さんと一緒に入室して欲しい)
(例:連絡が取れず、異変を感じているが、離れて住む家族はすぐに家にいかれないので、訪問して欲しいと家族から連絡があった場合)

葛飾区のおひとり様、通院の付き添い、入院や退院の手続き支援を代行いたします。離れたところに住むご家族への対応も可能です (happyhappy.pro)

当事務所の情報 行政書士しあわせ事務所(葛飾区小菅)

〒124-0001 東京都葛飾区小菅2-26-8

代表行政書士 高城 仁美(たかじょう ひとみ)

電話 070-8955-5538 お気軽にお電話ください 遅い時間や土日も可能な限り電話にでるように心がけております

行政書士登録番号 21080642
東京都行政書士会 葛飾支部

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